コードギアス 小噺 02
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死なせたくないから軍にいる。戦っている。 僕はそう答えた。 『その矛盾は、いつか君を殺すよ――』 僕の答えにロイドさんはそう云い、しかし僕にはその何が矛盾しているのかが分からなかった。 死なせたくない。だから戦っている。すこしでも助けられるようにと願って。 たった一人を殺すことで他の多くの命を生かすことが出来るのであれば、その一人を迷うことなく殺すだろう。――だから、僕はゼロとは相容れない。おまえがいるから。おまえがいるから、収まるべき戦禍は拡大を続ける。 どちらが勝とうが負けようが、もうそんなことはもうどうでもいい。決するべき第一の勝負は、もうとうの昔についてしまったのだから。 ならばこれからはその後をより良くするために。少しでも暖かく、少しでも平和な世を。少しでも早く。 ゼロを殺せば日本の残党なんて烏合の衆だ。どれだけキョウトに潜む彼等が陰で動こうと。 だから、彼を殺せば少しでも縮まる。戦禍の鎮圧に。 けれど決して死なせたくない絶対の人が死の危険に苛まれたのであれば。僕はその人の危険を取り除くために必要なだけ、全ての人々の命を刈り取ることを厭わない。親族さえ捨てた僕の、最後に残された過ぎ去りしあの頃の二人。 もう決して、失いたくはない。 僕の信念の為に、僕が横目に通り過ぎてきた人々の死。それさえもすべて。 だから、誰にも死んで欲しくはない僕の、こうして戦うことの、何が矛盾するのかが分からない。 |
writing 2007.01.27_一応根底にスザルル(でも別にルルスザでもいい)+ナナリーの存在があります。 |
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