+ noble tempest +
この身の内に内包するように
この胸の中。 この星を包み込むあの母なる海のように、あなたを抱(いだ)く。 そう…なりたかった……。 母のように。 時に優しく、暖かく。厳しく。あの、海のようになりたかった。 母なる海。 蒼く広がる海。 輝く光が反射して…。 暖かい。 帰郷の念。 不思議な…懐かしさ。 そんな女性に、いつも私はなりたかった。 でも、それじゃあなたは見てくれない。 あなたの瞳に写らない。 あなたは…いつも前だけ見てるから。 懐かしいあの母の胎(はら)に、帰りたいとは思わないだろうから。 まるで母親のように。暖かさをくれる存在。 あなたにとってのそれには、私は決してなれないと感じたから。 だから思った。 だから願った。 強くありたい。 気高くありたい。 前だけを見つめる…あなたのように―――。 ―――ノーブル・テンペスト――― 全てを優し包んで…もう、離さない。 「あやせ!」 ああ…やっと呼んでくれた。 「カズマ…」 私の名前……。 あなたの声。 泪。 今だけは…私の……。 ねぇ? 私、少しはあなたに近付けた? 強く、なれた? あなたのように強く、気高くありたかった。 前だけを見つめて歩くあなたのほんの少し後ろに立って。あなたの隣りを歩いて…。あなたをいつも見てるの。 そう思うだけで、心が温かくなる。 そして思うの。 前だけを見つめて歩くあなたに変わって、ほんの少し、あなたの淋しさを代わってあげられたら。 あなたが辛いとき。哀しいとき。 あなたの代わりに、私が泪を流すの。 真っ直ぐに前を見てる、あなたの姿に憧れた。 母なる海のような…そんな女性になりたかった。 すべてを包む…暖かなる水の調べ。 でも、あなたにとってのそれにはなれないと感じたから。 強くありたい。 あなたの瞳に写るくらい、強くなりたい。 強く、気高くありたい。 そう思ったの。 ねぇ、カズマ。 私の名前、忘れないで。 私の声、憶えていて。 私の姿、あなたの中から消してしまわないでいてね。 私、あなたの瞳に写りたかったの。 前を見つめる、強く優しいその瞳に、ずっと、写りたかったの。 そして、その奥に見え隠れするあなたの淋しさ、孤独を、癒したかった。 あなたの女性に…なりたかった…の……。 |
あなたの棘となり そうすれば あなたに忘れずにいてもらうことができるでしょうか。 あなたの傷となり そうすれば あなたにとってのその他大勢の中からほんの少しだけ 抜け出せるでしょうか。 真っ直ぐに 前だけ見つめるあなたに 惹かれていました 真っ直ぐで 強く、綺麗なあなたの瞳 痛々しい…あなたの前向きさ あなたが 好きでした |
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あやせ→カズマ。あやせさん登場時から胸に抱き続けて漸く形にできました。でも散文になってしまった(泣) あやせさん好きです。多分シェリスや水守より好きです。かなみちゃんと同列に入るかも? でも君島達と生きててほのぼのは書けなさそうな気がする…。いや、書こうと思えばいくらでも書けるんだけどね(たとえばアニメ本編での夢とかみたいな)。 ……書こうかな。ってか書きたいな。(ぽつり/笑) 書けないのはシリアス?かなみちゃん入れてかなりぐるぐるしたことになりそうで書けないです。でもきっとカズマはその辺何も気が付かないでしょう(笑) それではこのへんで。ご意見ご感想貰えたら嬉しいです。 |
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