◇ 2人きりの夜(前編) ◇





---*20030709*-----------------------------------------------------------田上友紀---




「はぁ〜これからど―しよっか紫苑くん?」
「はぁ〜じゃないだろっ!」と紫苑が言う。

ここは邪馬台国から離れた森の奥。なぜこんな所に2人きりでいるかというと今から数時間前・・・

ここは壱与の部屋。
隣りの国への同盟の手紙を書いている時に、風のイタズラで何時間もかけて書いた手紙が飛んでいってしまったのだ。その手紙を追いかける壱与。
そこに紫苑が歩いてきて壱与聞く。
「壱与、なにをそんなに慌てているんだ・・・?」
「あたしの大事な手紙が風で飛んでいっちゃったの!すぐ帰ってくるから!」
「!バカ!もう夕方だぞっ!あの森に入って帰って来れなくなったらどうするんだ!」
「だ−い−じょ−ぶっ!邪馬台国の森の道ならぜ−んぶ覚えているから!」
と言い残して森の中へいってしまった。 しかし、その夜、壱与が夜中になっても帰って来ない。すぐに、捜索隊が派遣された。そのことを知らない紫苑はうたた寝をしていた。すると、ヤマジが勢いよく紫苑のもとへ、やってきた。
「おい!壱与様がいないんだ!どこへ言ったか知らないか!?」
すると、「壱与ならあの森へいったが・・・?」紫苑にも不安がつもる。
すると、ヤマジの顔に血の気がひいた。
「この馬鹿やろう!あの森は邪馬台国の区域ではない!あれは、『山賊の森』だ!その名のとおり山賊達のすみかだ!もしや壱与様は奴隷にされるんじゃ・・・?」話終わるまえに紫苑は森の中へ入っていった。
『くそっ!なぜ止めなかったんだ!山賊なんぞに壱与を渡してたまるか!
壱与の笑顔を早く見たい・・・!』森のおくまで入ると、「壱与!どこだ!」とさけんだ。すると、「紫苑君!助けて!!」という声が聞こえた。声の聞こえる方向へ走るとそこには・・・・
                    続




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