+ 幻想リフレイン +






 ――眼に灼きついて離れない、鮮やかな一瞬の輝き。
 刹那に君は、何を呟いたのか――。


 1.Brilliant White


 パイロットスーツの襟元をきゅっと締めて、キラは息をつく。
 最近やけに着慣れてしまった、少しサイズの大きいパイロットスーツ。寒色系の色で統一されたそれは、宇宙での命綱になるものだった。
 ……もっとも、これに頼らなければならない状態になるほどのことがあれば、まず無事では済んでいないだろうが。
「よ。準備できたか?」
 とてもこれから戦闘に赴く人とは思えない明るい声で、フラガ大尉が話しかけてくる。この人を見ていると、地球軍に規定のパイロットスーツが本当にあるのかと首をかしげてしまうのだが。
「……はい」
 戦い慣れないキラを気遣ってか、何かと気にかけてくれるのは、確かにありがたい。キラはうなずいて、壁の向こうにある空間に意識を向ける。
「……でも、こんなところで……」
「仕方ないさ。向こうが仕掛けてくればな」
 フラガが肩をすくめる。
 現在アークエンジェルがいる宙域は、あるコロニーのすぐ近くだった。ヘリオポリスとは違い、完全な中立であることを宣言しているこのコロニーは、またコーディネイターの占める割合が他のコロニーに比べ格段に多いことでも知られていた。
 いわば非戦闘宙域であるこの宙域を、戦艦であるアークエンジェルが堂々と通るわけにはいかない。そこで、アルテミス入港の際にも使った、サイレントランニングである。これならよほどコロニーに近づかない限りレーダーに引っかかることもないし、コーディネイターの多いこのコロニーの傍で、ザフトも戦闘を吹っかけては来ないだろう。
 ただ、万一ということもある。そこで、キラたちがスタンバイというわけである。
「仕掛けられたら、出る。――まあ、そうならないことを祈るがな」
「そうですね」
 キラだって、進んで戦いたいわけじゃないのだ。出ずに済めば、それに越したことはない。
 それに――。
(……アスランとだって、戦いたくなんかない)
 ずっと再会を願った、親友。待ち焦がれたその時は、あまりに残酷な形でやってきたけれど。
 キラは、祈るような気持ちで目を閉じた。
(お願いだから、アスラン。――今は、来ないで……)


 ザフトの誇る高速戦艦、ヴェザリウス。そのブリッジで、若くして一隊を任されているラウ・ル・クルーゼは宙域図を見ながら指を滑らせる。
 ブリッジのドアが開く音に、クルーゼは顔を上げた。
 四人のガンダムパイロットが入って来るのを認めて、クルーゼは宙域図を示した。
「これを見たまえ」
 少年たちが言われるままに覗き込み、内最年少のニコルが、記された複数のルートについて尋ねる。
「クルーゼ隊長、これは……」
「向こうの戦艦が、また消えた。――だが、消えたポイントから、大体のルートは予想できる。おそらく向こうは……」
 クルーゼの指が、ルートの中の一つを辿って一点を叩く。
「このルートを通り、この友軍基地に入って補給を受けるつもりだろう。最もリスクが少ないからな」
「しかし隊長、この宙域には――」
 言いかけるアスランを、クルーゼは手で制す。
「分かっている。ここにあるコロニーは、ヘリオポリスとは違って正真正銘の中立だ。コーディネイターの数も多い。そんなところで、一戦交えるわけにはいかんさ。――向こうは、おそらくアルテミスの時と同じくサイレントランニングで、隠密裏にコロニーの傍を抜けるつもりだ。向こうが抜けたら、遠慮せず叩け」
「はっ!」
 表情を引き締め敬礼する少年たちに、クルーゼは満足げな微笑を浮かべた。
「ジンも出そう。向こうがコロニーを抜け、友軍基地に入るまでの間に叩く」
 しかし、彼らの姿がドアの向こうに消えると、笑みを消して呟く。
「我々もさることながら……彼らの宿縁も、なかなかに因果なものだ。――それが、戦争というものか」


 格納庫へ向かいながら、ディアッカが皮肉げに唇を歪める。
「は、懲りもせずアルテミスの時と同じ手か。やっぱりナチュラルの頭じゃ、これくらいが限度だ」
「でも、タイミングに気をつけないと……うかつに仕掛けて、もしコロニーの方へ反転されたら、こちらは手が出せませんよ」
「あり得るな」
 うなずいたイザークは、さっきから一言も喋らないアスランに視線を向ける。
「どうしたアスラン。えらく静かじゃないか。――怖気づいたか?」
「イザーク……!」
 たしなめようとしたニコルを、アスランは手で制した。
「コロニーを巻き込むわけにはいかないと、考えていただけだ……そんなこと、『血のバレンタイン』でたくさんだからな」
 言葉は静かだったが、彼はその事件で母親を亡くしている。さすがにイザークも、それ以上の言及はしなかった。
 格納庫には、すでに完璧に整備されたガンダムが四機、彼らの搭乗を待っていた。コクピットに乗り込み起動させると、ふと脳裏をかすめる顔がある。
(キラ……君も出るのか?)
 戦いは嫌だと、中立を名乗っていたヘリオポリスに移っていた彼。そんな彼を戦争に駆り立てたきっかけの一端は、皮肉にも自分たちのガンダム奪取作戦で。
 それがなければ、きっとすれ違っていた自分たち。
 それでも、出会ってしまったからには、今さら白紙に戻すことはできなくて。
 すでに何度も刃を交え、届かぬ声を投げかけた。
 しかし――それでも未だ、望みを捨てられない自分がいる。
 アスランはイージスガンダムをカタパルトに移動させ、出撃の時を待つ。
(キラ、頼むから……もう、ナチュラルなんかに手を貸すのはやめてくれ。――おまえのいるべき場所は、ここなんだ!)
 シグナルがオールグリーンに変わり、カタパルトがアスランとガンダムを、無限の宇宙へと押し出した。


 アークエンジェルがサイレントランニングに入って約一時間。そろそろ、コロニーとの距離が最も近づく難関に差し掛かる。
「ここを抜ける時が、ザフトにとっても仕掛け時でしょうね。――総員、第二級戦闘態勢。気を抜かないで」
「了解」
 マリューの指示を受け、クルーはレーダーで索敵を始めたり、システムのチェックに余念がない。
 コンピュータの作動音だけが響く静寂の中、アークエンジェルは静かにコロニーとの最近接点を通過し、遠ざかろうとした。
 ブリッジの誰もが思わず息をついた、その時。
 レーダーが反応し、管制メンバーから声が飛ぶ。
「熱源感知! パターン……イージス、デュエル、バスター、ブリッツ! それにジンが五機!」
「来たわね……!」
 マリューは即座に指示を下す。
「迎撃! ストライクと大尉のゼロも、発進準備を!」
「了解! 主砲レーザー照射、及びメビウスゼロをカタパルトへ!」
 ナタルの指示に従い、主砲からレーザーが放たれた。同時にカタパルトでは、フラガのゼロが発進準備を終えている。
「メビウスゼロ、出る!」
『フラガ大尉、お願いします!』
「了解。艦もコロニーも落とされるなよ!」
 メビウスゼロが、矢のようにカタパルトを飛び出す。
『ストライク、カタパルトへ!』
 エールストライク装備のストライクガンダムが、カタパルトへと送り出された。
「……ストライク、出ます!」
 シグナルがオールグリーンになった瞬間、ストライクは宇宙へ滑り出ていた。
 先行するメビウスゼロから通信が入る。
『ジンはアークエンジェルに任せる! 俺たちは、あの四機を止めるぞ!』
「……はい!」
 うなずくと、レバーを握るキラの手に力がこもる。
(アスラン……やっぱり、来たんだね……)
 近づく距離は、戦闘開始へのカウントダウン。
 やがて、モニターに四つの点が映し出された。ご丁寧に拡大表示してくれるその映像は、何度も対峙した紅い機体だ。
 戦いたくはないけれど。
 戦わなければ、守れないものがあると言われた。
 それが正しいのかそうでないのかは分からず、ただ疑いようのない事実であることは確かで。
 ――戦争に、絶対的な正義も悪もないのだと――。
 キラはスコープを起動させて、トリガーに指をかけた。前方の四機が二手に分かれ、こちらとメビウスゼロとに殺到してくる。
 こちらに向かって来るのは……デュエルと、イージス。
「――アスラン!」
 銃を向けて、それでもトリガーにかけた指に、力が入りきらない。その隙に、デュエルが突っ込んで来る。
『落ちろォォッ!』
 危うくそれを逃れる。倒さなければ自分が倒されると分かってはいても、未だトリガーを引くことには抵抗があって。
 ただ、向けられる敵意が痛い。
 デュエルと入れ替わるように、イージスが眼前に立ちはだかった。
『キラ、やめろ!』
「アスラン……っ!」
『まだ分からないのか! おまえはナチュラルに利用されてるんだ! おまえのいるべき場所は、そこじゃない!』
「違う!――僕は、自分の意思で――」
『言うな!』
 激しく遮られて、キラは言葉を呑み込んだ。
『キラ……こっちへ来るんだ。――そうでないと、僕は……!』
「……アスラン、それは……」
『キラ!!』
 通信用のモニターに、泣き出す寸前のように顔を歪めたアスランが映る。たぶん自分も同じ表情をしていると、キラはぼんやりと考えた。
『……おまえを、討てって言うのか?――僕に!?』
 アスランの声が、痛い。
 自分はきっと、彼を討つことなどできない。でも、彼のもとには行けない。
 守るべきものを、持ってしまったから。
 あの日桜の下で離した手には、すでにたくさんのものを抱えてしまった。
 それはきっと、アスランも同じ。
 今の自分たちを突き動かすのは、ゆずれないねがい。
「アスラン、僕は――君との過去を、思い出を、捨てたくない。でも、今の友達も、切り捨てることなんかできない!」
 コーディネイターである自分を、何の分け隔てもなく、友達だと認めてくれた彼らを。前線に出る自分を少しでも支えようと、自ら戦火の中に身を投げた友人たちを。
「僕は軍人じゃない、でも、守りたいものがあるんだ……!」
 そして、そのための力を持ってしまったから。
『――キラぁっ!』
 もう言葉は届かないと見たか――こちらへ向かって突っ込んで来るイージスの前に、デュエルが割り込んだ。
『イザーク!?』
『引っ込んでろ、アスラン!――無駄なんだよ! 地球軍に与するような裏切り者には――!』


 ……心臓が、跳ねた。


『コーディネイターの裏切り者』。
 以前そう言ったのは、アルテミスの士官だった。コーディネイターではない、ナチュラルからの、皮肉にまみれた言葉。そして今度はコーディネイターから投げつけられた同じ言葉が、揺らぐ心を抉(えぐ)る。


 ――痛い。
 ぶつけられる言葉も、うるさいくらいに跳ねる心臓も、どんどん浮かび上がってくる記憶も。
 なにもかもが、いたい――!


「……何て言われても、裏切れないものがあるから――僕は今、ここにいるんだ!!」
 悲鳴のように張り上げた声に、また喉が痛んだ。


 降り注ぐレーザーと実弾の雨をかわして、フラガは操縦桿を握り直した。
「危ねえ危ねえ……ったく、コロニーが近いってのに、遠慮がないねえ、あちらさんは!」
 状況にそぐわぬ軽口を叩きながらも、手は確実に動いて、バスターとブリッツの砲撃をかわす。
「――くそ! ナチュラルのMAごときがぁ!」
 不機嫌指数のメーターが上がりっ放しのディアッカが、メビウスゼロの射程外からロングショットを叩き込むが、当たらない。
「落ちやがれぇッ!」
『ディアッカ! 闇雲に撃っても、パワーを減らすだけです! それに、コロニーもあるんですよ!』
「ちぃっ――!」
 冷静なニコルの声に舌打ちする。
『僕が動きを止めます! その隙に攻撃を!』
「……分かったよ! 巻き込まれるようなドジ踏むんじゃねーぞ!」
 メビウスゼロに向かって先行するブリッツが、突然かき消えた。ある意味最高の隠密性を誇るブリッツの見えない突撃に、フラガの額に汗がにじむ。
(どこだ……?)
 ――それを感じ取れたのは、幾多の死線をくぐり抜けてきた彼ならではの、直感のおかげだったかもしれない。
 不意に総毛立つような感覚が走り抜け、フラガは考えるより先に、全速でその場を離脱していた。その瞬間、ブリッツのワイヤーが虚空を裂く。
 バスターの砲撃も鼻先をかすめさせてかわすと、フラガはどっと息をついた。
「ひょおーっ! あっぶねえーっ!」
 だが、まだ安心できるような状況ではない。相手の姿を視界に入れつつ、視線を横に流す。
「アークエンジェル! それにボウズは!」


 迫り来る五機のジンをモニターに捉え、マリューは声を張り上げる。
「迎撃! コリントスを!」
「了解、コリントス、七番から十番! 撃てぇっ!」
 ナタルの指示が飛び、ミサイルがジンを迎え撃つ。ジンは散開したが、二機が逃げ切れずに食らって爆発した。それでも残った三機は、装備しているミサイルを発射してくる。
「来ます!」
「コロニーには当てられない……! 回避控え、できるだけ撃墜して!」
「イーゲンシュテルン、撃てぇっ!」
 弾列が空を裂き、ミサイルに殺到した。宇宙に、一瞬まばゆい花が咲く。
 撃ち洩らしたミサイルが何発か、アークエンジェルに着弾したが、さすがにこの程度ではびくともしない。
 一旦散開したジンが、再び隊列を組もうとする瞬間を見計らって、ナタルが指示を下す。
「ローエングリン! 目標、ジン三機!――撃てぇっ!」
 アークエンジェルの主砲から放たれた光は、ジン三機を一瞬にして消滅させた。
 しかし――その寸前、三機の内一機が、最後の力でアークエンジェル目がけてミサイルを発射していた。
「ミサイル……いえ、軌道外れています。――このままだと、コロニーに!」
「墜とせないの!?」
「間に合いません!」
 悲鳴のような声がブリッジに響く中、モニターの中でイージスが動いた。
「アスラン!?」
『コロニーを……巻き込むわけにはいかない!』
 その脳裏に浮かぶのは、この戦争の引き金となった、『血のバレンタイン』と呼ばれる惨劇。
 それにより、アスランの母は死んだ。
 そして、それをきっかけに起こった戦争で、争いを何より嫌う優しい親友までもが、死地に引きずり出されその手を汚した。
『そんなこと、もうたくさんだ!』
 アスランの叫びに、キラの脳裏で何かが警鐘を鳴らす。
(まさか……アスラン!)
 瞬間、ストライクもバーニアを全開に吹かし、イージスの後を追っていた。
 コロニーに迫るミサイルに、二機のガンダムが横合いから追いすがる。
「……間に合うのか……?」
 イザークがデュエルを駆りながら目をすがめ、
「――頼むぞ、ボウズ!」
 フラガは迷いを振り切るかのように、眼前の二機と対峙するべくバーニアを吹かす。
「艦長、我々も援護を……」
「コロニーに向けては撃てないわ! それにフラガ大尉も、あの位置からでは間に合わない。――キラ君たちを、信じるしかないわ」
「……キラ……」
 ミリアリアの囁きを残して。
 アークエンジェルのブリッジに、祈るような沈黙が満ちた。


 先行するイージスを追いながら、キラはモニターの中の虚空を見つめた。
 耳に甦るのは、あの言葉。
『裏切り者』
(……そんなこと、分かってる)
 言われるまでもなく――それを一番感じているのは、キラ自身。
 ヘリオポリスの友人たちを守るため、アスランの差しのべた手を拒んだ。
 誰かの思惑に従うのなら、それと対立する他の誰かの思惑を、裏切ることになるのは必然で。
 ただ――それがこんなにも苦しいことだとは、たぶん他の誰も知らない。
 友人たちが大事。
 アスランが大切。
 裏切れない。
 裏切りたくない――。
(――僕は……!)


 一緒でいられたのは、もう遠い昔に思える。
 君がくれたトリィを見るたび、僕は君を思い出してた。
 自由にはばたける翼を持ったトリィが、羨ましかったよ。
 ――でも、今の僕にあるのは、鋼の翼。
 僕らは鋼の翼を背負って、暗い宇宙(そら)で戦うためだけに飛ぶんだ。
 ……もう、あの頃には戻れない。
 僕は、君の思いを裏切ってしまったから。
 君は強い人だから、僕よりもずっと強い心を持った人だから。
 僕は、君の強さに甘えてしまったのかもしれない。
 僕はもう、君の隣には戻れない。


 ……アスラン、ごめん。
 僕は――。


 イージスのレーダーが、射程内にミサイルが入ったことを伝える。
「――間に合ったか!」
 アスランはイージスを反転させると、その照準をミサイルに向けた。
 ――正直、こんな至近距離で重爆撃用ミサイルを撃破すれば、イージスとてただでは済まないと断言できる。いくらフェイズシフトを展開しているといっても、人の手で創られたものである以上、限界があるのだ。
 それでも、コロニーを犠牲にすることに比べれば。
 第二の『血のバレンタイン』など、あってはならないことだから。
 自分のように憎しみに身を焦がす者など、もう生まれて欲しくはないから。
 アスランは、目を細めてトリガーを引いた。


 それは、一瞬の出来事だった。


 イージスから放たれた一撃は、正確にミサイルの内一基に突き刺さり。
 一瞬のタイムラグを置いて、強烈な閃光が膨れ上がる。
 しかしその、一秒にも満たない空白の刹那に――イージスは、横合いから飛び込んで来たストライクに突き飛ばされていた。
 そして、宇宙空間の物理法則は、イージスの代わりにストライクをその場に留まらせ。


 閃光が、ストライクガンダムを呑み込んだ。


 ――もう、誰かを裏切るのも……戦うことも、嫌なんだ。
 勝手だって分かってるけど、もう自分の心を偽ることにも疲れちゃったから。
 だから……ごめんね、アスラン。




――さよなら……




 ――最後の言葉は、聞こえなかった。
 ただ、鮮やかな一瞬の光が、モニター越しに目を灼いて。
 そのまばゆさと、耳に突き刺さるノイズが、キラの最後の言葉をかき消した。
 ……もう、それを知る術(すべ)はない。


「……キラ……?」
 激しい衝撃で、一瞬何が起こったのか分からなかった。
 ただ、ストライクから開かれていた通信が、閃光と共に途切れて。
 光に視覚を奪われ、ノイズに聴覚を遮られながらも、キラの声は不思議に聞こえていた。
 最後の一言の呟きを除いて。
 そして視力を取り戻した視界に――ストライクの姿はない。
 ひたすらに、暗い宇宙が広がるだけ。
 やっと何が起こったのか理解できて、アスランは目を見開いた。
 ――キラが、自分を庇った。
 そして――。
「……キラ?」
 ゆっくりと上げた指が、通信システムのボタンを押す。だが、ストライクからの返答はなく、ただノイズが吐き出されるのみ。
「キラ……キラ。――聞こえるか? 応答してくれ。――キラ」
 ノイズが、コクピットを埋め尽くし。


「……キラぁぁ―――――っ!!」


 アスランの叫びが、ノイズを貫いて響き渡った。


 To Be Continued…






-----------------------------------------------------+ 感謝の言葉 +----

 またまた、素晴らしい小説を頂いてしまいました〜vv
 しかも続きですよ!!つまりは、はづき様の素敵小説がまだまだ読めるというわけですよ!!感激で疲れも吹っ飛びますね。
 はづき様、いつもいつも本当にありがとうござます!!そのうち!!そのうち何かお礼を!!かならず!!!!!
 はづき様の予定では今回を入れて4〜5話で終了だとのことです。
 戦闘を書くことができるの、すごいです。臨場感溢れていて、まるで映像で見ているような格好良さでした。キャラクターもそれぞれ違和感なく動いていて。
 閃光の中に掻き消えたキラと、叫ぶアスラン。
 この先どうなるのか、今からすごくどきどきしています。
 本当に、素敵な小説をありがとうございました。

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