「あいしてる」5題・切望編 4-てをつないで-

 君の心は僕に砕かれた。
 君の体が動かなくなる。
 それでも君の温もりは失われない。
 僕が君の手を取り、君を連れて歩く。
 僕がいなければ何もできない君。
 僕が君のすべて。
 君の手を取り、僕は行く。
 どこまでも続く明日へ。
 限りない未来へ。
 たとえ永遠が幻想で。僕らの歩む先に終わりが来たとしても。
 僕が君の手を放すことはないだろう。
 僕は繋がれた君の手を握り締めたまま、君のぬくもりを抱いたままに、永遠の眠りに就こう。
 僕がいなければ何も出来ぬ君は、僕の隣で緩やかにそのぬくもりを失っていくのだ。
 そうして二人、手を取り合ったまま、土に還っていく。
 混じり合って、やがて、一つになってしまうまで。
 僕の夢。
 夢の中の僕の理想。
 そうして僕は、いつも死んで目覚めるのだ。















































 なんという滑稽。現実の僕は、君の手を取ることさえできずにいる。































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詩?
written by ゆうひ 2008.11.23